目標管理・方針管理で飛躍する

 

 1980年の後半までは日本の製造業が世界を席捲していました。その原動力の一つが方針管理であったことは意外と知られていません。方針管理と目標管理は細かいところでは違いがありますが、ここではあえて同じようにあつかっています。実際に企業で運用する際には、どちらかに決める必要があります。ここでは、簡単に両者の違いを列挙します。

 ①目標管理はP.ドラッカーが1954年に著した「現代の経営」で提唱されたといわれています。(ちなみに、2005年2月28日付けの日本経済新聞(朝刊)「私の履歴書」のなかで、ピーター・ドラッカー氏が「分権化、目標管理、知識労働者、民営化--。みんな私の造語で、これからも使われ続けるかもしれない」と書いています。) どちらといえば、結果重視の考え方であり、結果のわりつけによる経営ともよばれています。現在では特に日本においては方針管理の影響が強く、方針管理との差が非常に小さくなっています通常は全社員を対象に実施します。またその評価結果は人事評価の重要な一要素となります。

 ②方針管理はその起源が目標管理ほど明確ではありませんが、1960年以降、日本のTQC活動の中心的な活動として発達しました。方針管理は、目標管理を母体として日本で生まれ育ったものです。方針管理という言葉を最初に使用した会社はブリヂストンタイヤだと言われています。プロセス重視を強調しています。

 いずれにしても、目標とそれを実現するための方策からなり、定期的にレビューしていきます。新聞などで成果主義の問題点がいろいろ議論されていますが、成果主義を成功させるには目標管理をきちんと実行することは不可欠だと考えます。また目標管理のデータを有効に活用する仕組み作りが必要です。会社がさらに飛躍するためには、方針管理の採用がおすすめです。

 そのとき重要であり、かつ苦労することは目標の立て方です。そのためのノウハウをお伝えします。次にむずかしいのは目標を達成するための方策を作成することです。目標をきちんとサポートする方策を立てられるかで、会社の実力が簡単にわかります。目標管理・方針管理を活用して、会社の飛躍をはかりましょう。お手伝いします。