新製品開発で業績を伸ばす

 新製品開発について、つぎのようなお悩みを抱えておられる企業はたくさんおられます。新製品開発をどのように進めていったらよいのかが分かりません。自信をもってよい新製品を開発し、売り出してみましたが残念ながらその売り上げは期待ほどではありません。こんなに画期的な性能の良い新製品を売り出したのに、ほとんど売れません。このような悩みをお持ちの方は多数おられます。実はこれら悩みの原因には共通していることがあります。それは、顧客が望んでいるものを提供できていない、ということです。

 ではどのように取り組んだらよいのでしょうか? それはマーケティングの考えを正しく理解して、活用していくことです。マーケティングと聞くと、市場調査や広告・宣伝を思い浮かべる方が多いようですが、本来はもっと広い考え方です。「顧客に耳をかたむけ、企業がそれに答える活動」とここでは理解してください。

 具体的にどのようにやったら良いのでしょうか? ここでは大まかな流れを紹介していきます。まず「良い製品とは何か」を正しく理解することから始めます。この問いに答えるだけで、どのようにしたらよい新製品開発ができるようになるか、がかなり分かってきます。この時に経営者の立場で製品を見ることが大切になってきます。

その次にすべきことは、「新製品開発とは何か」を正しく理解することです。このことを正しく理解するために役立つツールがあります。マーケティングの教科書では必ず紹介されている「アンゾフの成長マトリクス」です。新製品といったときに、作り手からみて新しいものなのか、あるいは想定している顧客にとって新しいものか、をきちんと区別して考えます。ここに示されている考え方を、正しく理解せずに新製品開発に取り組みますと、新製品は完成したがほとんど売れない、ということになってしまいます。このようなことにならないためには、このステップをないがしろにはできません。

最後に、実際に新製品の開発を行っていくときには、「新製品開発の流れ」に従うことです。マーケティングの参考書を読みますと、いろいろな人が様々な方法を紹介していることが分かります。私はよく知られているフィリップ・コトラーのやり方に従うのが一番良いと考え、実際に使っております。なおフィリップ・コトラーは「マーケティングの神様」と呼ばれております。なおこの流れに従って仕事を進めていくときに、いくつか留意すべきことがあります。それは企業が置かれている状況により異なりますが、マーケティングの基本に従えばそれぞれの状況に正しく対応できます。

売れる、そして利益の出る新製品開発ができるようになりますと、業績は当然のことながら良くなります。

一度正しいやり方で新製品開発に成功しますと、あとはその時に学んだ知識・経験をもとに次々と新製品開発を続けていくことができます。そのためには、一度で良いですから、正しいステップを学んで実践することをお勧めします。そのお手伝いを喜んでしたいと考えております。